話題の書『トウ小平』エズラ・ヴォーゲル(ハーバード大名誉教授)が読み解く「中国の明日」

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虚勢を張る習近平が倒れる日
橋爪大三郎氏が聞き手になり、アメリカのアジア研究の権威・ヴォーゲル教授が、中国とトウ小平について語り明かす―― そんな新書が話題を呼んでいる。習近平と中国の近未来を教授が予言する。

聞き手=橋爪大三郎

なぜ中国は崩壊しないか

――20世紀、ソ連、東欧、中国、いくつかの国で社会主義が試みられて、冷戦が終わったあと、ほとんどすべてなくなってしまいました。中国はなぜ、ポスト冷戦の時代に、解体しなかったんでしょうか。
ヴォーゲル:それは、ひとつには、経済成長がものすごく速かったからですね。'80年代に、みんな生活がよくなった。

 もうひとつは、阿片戦争以来、この国を統一するのがむずかしいとわかっていること。政治が乱れ国が分裂している状態では、ダメだと、誰もが骨身にしみてわかっている。多くの人びとがこのふたつを認めているから、中国共産党が支持されているのだと思うんです。



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