「老衰なら病院代がいらない」は大間違い! 第1部 家で看取るのに、かかるカネ

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「最期は自宅で」と望む人が急増中

寒々しい病室でダラダラと延命治療を受けるより、長年暮らしてきた家で自分らしく逝きたい。きっとそのほうが、安上がりだし――だが、本当にそうだろうか。「在宅死」の語られざる現実を書く。

看取るほうの収入も減る

「昔はほとんどの人が『在宅死』でしたが、'76年に病院で亡くなる人が『在宅死』の数を上回り、いまでは皆が『病院で死ぬのが当たり前』と思い込んでいます。

 しかし、高齢者はほぼ例外なく『住み慣れた家で最期を迎えたい』と思っているものです。『病院のほうが快適だよ』と言う高齢者は、家族に迷惑をかけまいとしていることが多いのです」

 こう語るのは、尼崎市の長尾クリニック院長で、在宅医療の第一人者として知られる長尾和宏氏だ。



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