週現『熱討スタジアム』第168回 涙のエース 村山実を語ろう 今週のディープ・ピープル 柴田勲×藤井栄治×和田徹

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ザトペック投法で真っ向勝負
長嶋とのライバル対決に熱狂した

英雄・長嶋茂雄だろうと、V9の巨人だろうと、臆することなく勝負を挑む。一球に命をかける――。生涯にわたりその言葉を体現し続けた、男の生き様。

野球にすべてをかけていた

藤井:大卒投手として史上2番目の勝ち星である通算222勝、そして、現在もセ・リーグ記録として残る生涯防御率2.09。長い歴史のある阪神タイガースだけど、エースといえば村山実だというファンは多いよな。

柴田:記録もさることながら、投球フォームが強烈でしたからね。身長175㎝の決して大きくない身体を目一杯使って、思いっきり腕を振り切る。投げた後は反動で両腕が跳ね上がり、髪は乱れ、帽子が飛ぶこともしょっちゅうでした。

和田:'52年のヘルシンキオリンピックで3つの金メダルを獲得した名長距離ランナー、エミール・ザトペックにあやかり、「ザトペック投法」と呼ばれてましたね。汗を滴らせながら、ひたすら前を向いて走るザトペックのイメージが重なったんでしょう。



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