宇能鴻一郎「官能小説」傑作選 第十七回〈片っぱしから〉

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今回掲載した「片っぱしから」は、1982年に刊行された『ホテルメイド日記』に収められた一編。『ホテルメイド日記』は、都心の大ホテルに勤務するメイドが、出張中のサラリーマンから海外のVIPまで、様々な客相手にエッチなサービスをしてしまう様子が描かれている。

 あたし、若いホテルメイドなんです。

 今はルーム係にまわされて、もっぱら、御宿泊のお客様の寝室でのお世話をしてるんです。

 といってもお部屋では、お客様のお発ちになったあとのお婦除と、ベッドメイクや、水とコップを入れておくことや、冷蔵庫の、点検なんだけれど。


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