慟哭告白・柳生博78歳「息子を喪って、わが人生を再び問う」

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病に冒されたわが子、それを見守る孫たち神様もひどいことをする……
「親より先に逝ってしまうなんて、親不孝の極みです」。ともに八ヶ岳の自然を愛し、時に叱り、時に教えられてきた最愛の息子。その笑顔を、もう見ることはできない。遺された父の思いを語った。

あの子の自慢をさせてくれ

〈マイヅル草の花は咲いたかな〉

「うん、そろそろだね」

〈ホトトギスは来たかい〉

「まだだな。もうちょっと先だろうな」

〈ホトトギスが鳴きはじめたら教えてよ〉

 亡くなる当日まで、長男・真吾とはこんな会話をしていました。咽頭がんだった真吾は、この1年間くらいは話すのが難しい時があり、筆談で私と会話していたんです。

 真吾が亡くなったのは5月2日、ゴールデンウィークの真っ最中でした。全国から八ヶ岳に遊びに来ることを楽しみにしているお客さんに迷惑をかけたくないので、しばらくは公表せず、家族葬を済ませた翌日の5月8日に、次男がホームページで報告しました。


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