宇能鴻一郎「官能小説」傑作選 第五回〈ノーパン・パーティ(下)〉

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「ノーパン・パーティ」は、1981年に刊行された『濡れて学ぶ』に収められた一編。とある中小企業がノーパン喫茶を貸し切って、定年退職する社員の慰労会を催した。座が盛り上がるにつれて、店の女の子はそれぞれ、ズボンを脱いだ男たちに跨るように促され、互いの性器が重なり合うようになって……。

「何してるのよオ、そっちの二人」

 とあたし、聞いた。

「つまりだね……昔、藤原佐理(ふじわらのさり)という人がいて」

 その中年サラリーマンさん、とつぜん、ヘンな話をはじめたんです。


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