「収入」と「幸福度」の相関関係 第2部 年収900万円=最大幸福」説は本当か?

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人生にも損益分岐点がある

「'02年にノーベル経済学賞を受賞した米プリンストン大学の心理学者、ダニエル・カーネマン教授が面白い研究をしています。それによると感情的幸福は年収7万5000ドル(約900万円)までは収入に比例して増えますが、それを超えると比例しなくなるんです」

 こう語るのは「幸福学」を専門とする慶應義塾大学教授の前野隆司氏。これは、アメリカの世論調査会社ギャラップ社が45万人を対象に行った健康と福祉に関する調査の回答を分析した結果だ。ちなみにこの額は、米国の一世帯当たりの平均年収7万1500ドル('08年)をわずかに上回るものだ。前野氏が続ける。



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