笹井芳樹・理研副センター長を追い込んだ「小保方への愛情」と「山中教授への対抗心」

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「逃げ場」も「勝ち目」もない。あるのは絶望だけだった

小保方晴子さんと出会ったことで、天才学者の人生は急転した。その裏にはiPS細胞に負けられないという研究者としてのプライドがあった。笹井氏はなぜ自ら命を絶ったのか―その軌跡を辿る。

死の直前の彷徨

「自殺する一週間ほど前に笹井さんをCDB(理化学研究所発生・再生科学総合研究センター)で見かけたとき、無表情でうつむきながら廊下を歩いていました。いつもなら『頑張ってるかい』と声をかけてくれるのに、なにか思いつめている様子で、何度声をかけても応えてくれませんでした。


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